最近怪我に対する質問をいくつかいただきました。サッカー(スポーツ)に怪我は付きものと言いますが、私も学生時代から怪我が多かったです。対処については専門のトレーナーや先生に任せるとして、昔から怪我に対してポジティブに捉えるようにしていたので今回はその考え方(メンタル)について書いてみようと思います。
まず基本的な考え方としては、怪我をしたら「何かをレベルアップさせるチャンス」です。リハビリトレーニングをして元(ゼロ)の状態に戻すことはもちろん、何かプラスを得て復帰です。試合感覚やコンディションは実践でしか戻せない要素が多いので、それ以外の部分でプラスをつくります。いくつか例を挙げます。
中学時代に利き足の右足を怪我した時は「左足のレベルアップができる」と捉えて、ひたすら左足の練習をしました。お陰で復帰してからも左足しか使わない時期が暫く続き(続ける必要はない)今でも左右差なくボールを蹴れる両利きになりました。後にそれが「両サイドでプレーできる」というストロングポイントになるとは思ってもいませんでした。
高校時代には肉離れを繰り返してしまい、暫くプレーができない時期がありました。中学までは主にテクニックしか学んで来ず、高校に上がってから戦術面でかなり苦労をしていたのでこの長期離脱をチャンスと捉え、コーチの横で練習や試合を客観的に観てサッカーの勉強をしました。この時期にコーチや仲間の意図を汲んだり、試合の流れを読むという「観察力」が身に付きました。これも後に海外でプロとしてプレーする上で重要な能力の一つとなりました。
大学時代には第五中足骨疲労骨折という怪我をして、半年以上プレーできない時期がありました。この時はフィジカル面に課題を感じていたので、普段では取り組めないウェイトトレーニングなど肉体改造をしました。この期間は基本1日800〜1000回は腹筋をしていて、同時にメンタルも鍛えられました。数が多ければ良いという訳ではありませんが、この時期に作り上げたベース(身体的にも精神的にも)が支えてくれているものがあると感じます。
一見ピンチに見える怪我も捉え方を変えれば、時間をかけて何かを身に付けるチャンスです。出来事を変えることはできませんが、捉え方を変えることはできます。そして捉え方はトレーニングで変えられます。それがメンタルトレーニングの一つだと私は考えています。